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転職エージェントの報酬

転職エージェントは、どのような報酬体系をとっているのでしょうか。

一般的には、転職エージェントの課金体系は以下のようになっています。

  • 人材を採用した企業に対して採用コンサルティング・フィーとして課金する
  • 完全成功報酬型の課金システム(紹介者の出社確認ができた段階で課金)
  • コンサルティング・フィーは、紹介者の年収の約20%~35%

もちろん、具体的な課金モデルは会社によって異なりますが、

  • 企業に対して課金
  • 完全成功報酬型
  • 年収の20~35%をフィーとして課金

というモデルは概ね共通しているようです。

場合によっては、年収に対するパーセンテージではなく固定の料金設定をしているケースも見られますが、これは紹介難易度などに応じて決められています。

また、企業によっては紹介者が入社後にすぐに辞めてしまった場合の返金規定を設けている企業もあります。

退職までの期間に応じて返金率を定めている場合もあれば、3カ月以内の退職の場合は全額返金など、返金の規定も企業によって様々です。

転職エージェントを通じて転職活動を行う場合には、基本的に求職者に対しては無料でサービスが展開されており、転職エージェントは企業からのコンサルティング・フィーでビジネスを展開しているのです。

純粋に課金システムだけに基づいて考えるのであれば、転職エージェントにとっての顧客は求職者ではなく企業、ということになります。

モデルとしては、民放テレビ局に近いですね。民放テレビ局も、収入はスポンサー企業から得ており、テレビ番組を見る視聴者から課金をすることは基本的にありません。

しかし、テレビ局にとっても視聴者は大変重要な存在であることと変わりがないように、転職エージェントにとっても求職者は大変重要な存在です。

無料サービスだからといって手を抜いてしまえば、求職者の間で評判が下がり、結果として会員数が確保できず、企業が望む人材を紹介できなくなってしまうわけです。

その意味では、企業と求職者の双方を顧客として捉え、両顧客の顧客満足度を最大化していくことが、転職エージェントに求められるサービスだと言えます。

企業側の視点にたって考えてみると、転職エージェントを通じた採用はどうしても割高になりがちです。

仮にコンサルティング・フィーが年収の30%だとしたら、年収600万の人材を採用するだけで180万円もかかってしまうのです。

採用人数が5名なら、5倍の900万円です。

これは一般的な採用単価から考えてもかなりの高額ですよね。

例えば求人媒体を活用した採用活動であれば、数百万円あればかなりの母集団形成ができる採用活動が展開できます。

採用単価も転職エージェントに比べればずっと安く収まります。

企業はなぜここまで高い報酬を支払ってでも転職エージェントを活用して採用活動を行うのでしょうか。

企業側からみた際の、転職エージェントを活用するメリットについて考えてみましょう。

企業が転職エージェントを通じて採用活動をする主な理由としては、以下のようなポイントが挙げられます。

  • 採用するまでは一切費用がかからないので、リスクが低い
  • スクリーニング機能があるため、書類選考や面接の手間が省ける
  • 面接日程調整や不合格連絡など、採用活動業務の一部を切り出せる
  • 非公開求人が出せるため、競合他社に知られずに採用活動ができる
  • いい人がいたらとる、というスタンスの採用と相性がよい
  • 面接のフィードバックがあるため、採用活動の改善が行える

採用するまでは一切費用がかからないので、リスクが低い

転職エージェントは完全成功報酬型が主流ですので、企業からするとリスクなく採用活動を行うことができます。

いくら書類選考をしても、いくら面接をしても、内定を出して求職者が入社意思を固め、実際に入社するまでは一切費用がかからないのです。

それに比べて求人媒体の場合は、そうはいきません。

求人媒体の場合は、通常は広告費用として求人を掲載すると決めた時点で費用が発生します。

せっかく求人を掲載して募集をかけたところで、応募者が来なかった、採用したい人材が来なかった、内定を断られたなど、採用活動で失敗をしてしまうと、広告費用は全て無駄になってしまうのです。

だからこそ、求人媒体の場合は費用をかけた以上は誰かを採用せねばいけないという力学が企業に働くこともあります。

それに比べて転職エージェント経由の場合は採用しないことについてはリスクがないため、採用時の費用ともあいまって、必然的に採用目線が高くなるということが起こります。

スクリーニング機能があるため、書類選考や面接の手間が省ける

これも、転職エージェントを活用する大きなメリットの一つです。 自社で求人媒体に求人を掲載する場合は、応募者への対応や書類選考、面接などを全て自社で対応しなければいけません。

求人媒体の場合、いくら募集条件を掲載したところで基本的に求職者や自由に求人に応募することができます。

そのため、場合によっては採用対象外の求職者からの応募が集まりすぎてしまうということも起こりえます。

特に不景気時には求職者も職探しに必死ですから、あまり人気がない企業でも求職者から山のように応募が来ることも珍しくありません。

応募が来た以上は、無視することはできませんね。書類選考の結果連絡などは、かなりの手間がかかります。

転職エージェントを活用すると、このような工数をかけずに最初から条件に見合う、スクリーニングされた人材だけを紹介してくれるので、採用にかける手間が大きく軽減されます。

求人を出せばすぐに応募が集まるような人気企業にとっては、このスクリーニング機能だけでも転職エージェントを使う価値はあるのです。

面接日程調整や不合格連絡など、採用活動業務の一部を切り出せる

候補者のスクリーニングだけではなく、採用活動には面接日程の調整や不合格連絡など、様々な事務作業が発生します。 これらの作業をアウトソーシングするだけでも、採用活動はかなり効率化されます。

特に面接日程の調整などは、同時に多数の候補者と調整しようとするとそれだけでも一苦労です。

転職エージェントを活用すれば、空いている日時を転職エージェントに伝えておくだけで、その枠内で面接をどんどんと組んでくれますので、あとは求職者が面接にやってくるのを待っていればよいのです。

このような採用オペレーション業務のアウトソーシングという観点から転職エージェントの活用にメリットを感じる企業も多く存在しています。

非公開求人が出せるため、競合他社に知られずに採用活動ができる

採用戦略は、経営戦略や事業戦略に直結するものです。

企業の採用状況や求人ポジションなどを見てみると、その企業の今後の事業の方向性や現在課題に感じているポイントなどが手に取るように分かってしまいます。

例えば、「新規事業の立ち上げ」「新規プロジェクトの立ち上げ」などに関わる人員募集や「経理・財務部門の募集で、M&A経験者を求める」などの場合も、通常極秘裏に進められることがほとんどです。

これらの採用を進めていることが競合他社などに分かってしまうと、今後の事業戦略が読み取られ、先手を打たれてしまうこともあるからです。

また、新規に人材を採用するということは、裏を返せば現状組織には適した人材がいない、ということを表明することでもあるわけです。 それは、自社組織の課題や弱点をわざわざ露出するようなものです。

このように、採用活動は企業の戦略と密接に関わっているため、競合他社に自社の戦略を見抜かれないようにするためには、「非公開」で求人を出したいと考える企業も多いのです。

いい人がいたらとる、というスタンスの採用と相性がよい

企業の中には、積極的な採用活動ではなく、もし「いい人がいたらとりたい」といったような消極的なスタンスで採用活動を展開する企業も存在しています。

このようなケースでは、求人媒体にリスクを負って採用広告を出稿するよりも、採用するまでは一切費用がかからない転職エージェントを活用するほうが企業にとってはメリットが大きいのです。

切羽詰まった採用活動ではないので、求人自体は無料で出すことができ、採用するまでは一切コストがかからない転職エージェントは、このような「人」ありきの採用活動にはとても使い勝手がよいのです。

面接のフィードバックがあるため、採用活動の改善が行える

転職エージェントを通じて採用活動をすると、候補者を面接した後に、候補者がその面接をうけてどう感じたか、入社意欲はどう変化したか、どのような点に懸念点を持ったか、などの面接フィードバックを受けることができます。

企業も、求める人材を採用するためには「採用力」を向上させていかなければいけません。

面接が下手だと、候補者からの選考辞退が相次いでしまい、時間と手間ばかりがかさんでなかなか人材が採用できないという状態に陥ってしまうからです。

転職エージェントを活用すれば、自社の採用活動の問題点などを、競合他社の面接手法はもちろん、面接を受けた求職者のフィードバックなども基にして具体的に提示してくれます。

ときには、面接の同席をしてくれて、面接官に対して具体的に面接手法などをレクチャーしてくれる転職エージェントなどもあります。

このように第三者的な視点から自社の採用活動の改善点を洗い出してもらうことにより、結果として自社の採用力が向上し、採用コストが下がるケースも多いのです。

求人媒体経由で採用活動を行う場合は、各候補者の面接後の感触や入社意欲などの具体的な情報までは入手することができないため、 採用活動のPDCAサイクルが回しにくいのですが、転職エージェントを活用すればこの問題が解決されるのです。

この「面接のフィードバック」や「採用コンサルティング」という転職エージェントの機能に価値を感じている企業もかなり多くあります。

このように、企業から考えても、転職エージェントを活用することには様々なメリットが存在しているのです。

だからこそ転職エージェントは他の採用手段と比較して高額な報酬体系だとしても、その価値を感じる企業が利用しているわけです。