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転職を考える前に

「転職したい!」

そう思ったら、一度立ち止まって考えて欲しいことがあります。 それは、「本当に転職をする必要があるのかどうか」ということです。

転職とは、文字通り「職場を変えること」です。 職場を変えることで、新しく様々なものが手に入れられるでしょう。

新しい上司、新しい同僚、新しい後輩、新しいお客様など、 人間関係は大きく変わるでしょう。人生を変える素敵な出会いもあるかもしれません。 また、新しい知識、新しいスキル、新しいチャレンジなど、 仕事が変わることで様々な発見があり、人間として成長することもできるかもしれません。

転職は、今の自分の現状を打開する、希望にあふれた選択肢のように見えるかもしれません。 新しい名刺と新しい肩書き、新しく生まれ変わった自分の輝く姿を想像して、 ついついワクワクしてしまうのが人というものでしょう。

しかし、このような期待と希望に満ちた気持ちが膨らんでくるのを抑えて、 もう一度立ち止まって考えて欲しいのが、 自分はそもそも「なぜ転職をしたいのか?」ということと、 その理由は「本当に転職によって解決されるものなのか?」ということです。

本当に転職する必要があるの?

例えば、今の職場の人間関係に悩み、転職を考えているとしましょう。

どうしても同僚と上手く付き合うことが出来ず、それがゆえになかなか仕事もスムーズにいかない。 上司にも気に入られず、叱られてばかりの日々。 昼食はいつも社員食堂で一人で食べており、心なしか周囲の目線が痛い気もする。

「明らかに、自分はこの会社で浮いている気がする・・・」

こんな悩みを抱え、転職エージェントのドアを叩き、 転職の相談に来られる方もいらっしゃいます。

この人間関係の悩みを解決するためには、 まず何よりもはじめに根本的な原因がどこにあるかを 探らなければいけないわけですが、 実はよくよく話を聞いてみると、それは職場が悪いのではなく、 転職を考えている本人に原因があるケースも多いわけです。

そもそも自分から積極的に同僚や上司に働きかけることもなく、常に受け身の姿勢ばかり。 たまに飲みに誘われても、人づきあいが苦手なのでついつい断ってしまう。

こんな風にして、知らず知らずのうちに自分からその会社に居づらい環境を作ってしまい、 その状況を打破することが出来ず、「転職」に解決を求めようとする。

このような方の場合、恐らく転職をしたとしてもまた同じことの繰り返しとなるでしょう。 問題は職場ではなく本人にあるので、いくら職場を変えたところでその問題は一向に解決されないわけです。

繰り返しになりますが、転職とは「職場を変えること」であり、転職をすれば「自分が変わる」わけではないのです。 これは何も人間関係に限ったことではありません。

  • 「給料が上がらない」
  • 「キャリアアップが望めない」
  • 「残業時間が多い」
  • 「休日出勤が多い」
  • 「仕事内容が合わない」

転職理由には様々なものがありますが、 自分でこれらの転職理由を並べる前に、 もう一度立ち止まって考えてみて下さい。

  • 給料が上がらないのは、本当に上司が正当に評価をしてくれないからですか?
  • キャリアアップが望めないのは、本当に会社の人事制度のせいですか?
  • 残業時間が多いのは?
  • 休日出勤が多いのは?

今自分が抱えている職場に対する不満のうち、 本当に会社側に問題があるものは、いくつあるでしょうか?

例えば、転職理由の本音として良く聞くのが、 「給料が上がらない」という話です。 給料が上がらない、上がらないと溜息を洩らす前に、 給料が上がるために何か努力をしたでしょうか。

  • 給料が上がるように会社の業績を大きく伸ばす働きをした。
  • 人事制度の改善を求めて人事部に提案をしてみた。
  • 上司に対して自分の本音をぶつけてみた。

本気で給料を上げたいのであれば、方法は無限大にあるはずです。 別に転職だけがその選択肢ではありません。 あなたが会社に対して何かを与えてくれないのであれば、 会社もあなたに対して何かを与えてくれることはないでしょう。

給料だって、同じ話です。どんな経営者であれ、会社の業績に大きく貢献する人材には いくら給料を支払ってでも残ってもらいたいのです。

転職したい!と思ったら、この言葉をもう一度自分の胸に 問いかけてみてはいかがでしょうか?

「変えなければいけないのは、本当に会社ですか?それとも、あなた自身ですか?」

この問いに迷わず「会社だ!」と答えられるのであれば、 あなたは、自分の望みを叶えるために、一生懸命今の会社で頑張ったのでしょう。 転職により、新しい可能性の扉をたたいてみましょう!