転職エージェントから見たブラック企業にありがちな10の特徴


最近メディアでも「ブラック企業」という言葉が流行っています。

「ブラック企業」の定義が様々ですし、どのような企業であれ、そこに働く人がいて、その顧客がいる以上、誰かの役には立っているわけですから、何らかの基準を持って一概に「ブラック企業」という表現を当てはめてしまうのはあまり良くないことだとは思うのですが、今回は「転職エージェントから見たブラック企業」というテーマで「こうした企業への入社はよく考えたほうがよい」という事例をご紹介したいと思います。

採用活動の現場から、ブラック企業にありがちな行為を10個に渡ってご紹介していきます。完全に転職エージェントの目線からの話ですので、中には「ケースによってはそれは致し方ないのでは?」という点もありますが、転職をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

  1. 人材紹介会社を業者だとしか思っていない
  2. 選考結果を滞らせる
  3. 面接を受ける候補者に対する敬意がない
  4. 求職者に対して事実を伝えようとしない
  5. 面接や内定を辞退されると憤慨する
  6. 内定通知書を提示しない
  7. 内定を出した後に取り消す
  8. 人事担当者が人物ありきで値踏みしてくる
  9. 採用が上手くいかないのは紹介会社のせいだと思っている
  10. 採用担当者が自社に対する不満を言っている

それでは、それぞれの項目についてご説明していきます。

1、人材紹介会社を業者だとしか思っていない

企業の採用担当者とやりとりしていると、稀に人材紹介会社のことを単なる人材供給業者だとしか思っていないような企業に出くわすことがあります。

紹介会社のことを「採用を成功させる上での重要な戦略パートナー」と認識するのではなく、オーダーを出せば人を紹介してくれる工場のようにしか考えていないのです。

企業にとって人材採用は非常に重要な仕事であるにも関わらず、その採用を支援してくれている紹介会社を見下しているような会社は、当然ながら採用が上手くいっていませんし、社内の人材に対しても同様の扱いをしているのかもしれません。注意が必要です。

2、選考結果を滞らせる

書類選考結果や、面接の結果をなかなか連絡してこない企業も危険です。採用担当者に「求職者の人生を左右する判断・情報を預かっている」という認識がなく、求職者の視点に立った行動ができていない証です。

こうした企業は、恐らく自社の顧客に対しても同様の不誠実な対応をとっている可能性が高いでしょう。選考結果が遅延している明確な理由があるのであればそれを伝えるべきであり、理由もなく結果を滞らせている企業は、仮に忘れたころに合格通知が来たとしても入社するのはよく考えたほうがよいかもしれません。

3、面接を受ける候補者に対する敬意がない

候補者は10分前にオフィスに到着しているのに、平気で候補者を10分も20分も待たせるような企業や、求職者に対して面接のためにわざわざ足を運んでもらったお礼を言うこともなく、いきなり面接を始めるような企業も避けたほうが無難です。

このような企業は、自分たちは忙しい中、面接のために時間を割いているという意識が先行しており、同様に目の前に座っている求職者も忙しい中時間を割いて、自腹を切って面接に来てくれているのだという認識がありません。

4、求職者に対して事実を伝えようとしない

求職者に対して、前任者の退職理由や、業績の不振、社内の問題などの自社に関するネガティブな情報を隠そうとする企業もあります。こうしたネガティブな情報を隠そうとする企業は、自社のメンツを守りたいだけであり、いざというときに従業員を守ってはくれません。

本当に優れた企業や採用担当者であれば、入社後のミスマッチはお互いにとって不幸になることを十分に理解しているので、事前に自社の良い面も悪い面もしっかりと伝えたうえで、最終的な判断は求職者である本人に任せようとするものです。

そのように自分の意思と責任で入社してきた社員は、例え入社後にトラブルがあったとしても簡単には逃げ出さずに問題に向き合おうとすることを経験則として知っているからです。

5、面接や内定を辞退されると憤慨する

企業の中には、求職者が面接後や内定提示後に辞退をすると、転職エージェントに憤慨してクレームを入れてくる企業もあります。

このような企業や採用担当者は、自社に対して過度なプライドがあるからこそ、求職者から断られることに強い拒否反応を示すのだと思いますが、転職エージェントの立場としては、強い違和感を感じるというのが本音です。

そもそも採用の現場においては企業も求職者も平等であり、どちらも選び、選ばれる存在なのです。求職者に辞退されてしまったのであれば、その原因を探り、解決に向けて最善策をとっていくのが望ましい姿であり、怒りとクレームだけでは何も解決しません。

そうした企業に限って、面接の結果をさんざん待たせた挙句に時間がかかった理由や不採用理由も伝えずに落とすなど、求職者に対して不誠実な対応をとる傾向があります。

6、内定通知書を提示しない

内定を出す際に、給与や雇用形態、各種保険、福利厚生などの条件面を記載した内定通知書を提示してくれない企業は非常に危険です。

入社の条件を書面で通知することを拒む企業は絶対に避けるべきです。入社してトラブルになる企業は大体そうした企業だからです。

このような企業は、書面で提示していないことを理由に、入社時に話していたよりも大幅に給与を下げたり、雇用形態を正社員ではなく契約社員にしたりといった求職者にとって不利な条件を入社してしまってから持ち出してくる可能性があります。

7、内定を出した後に取り消す

企業の中には、稀に一度内定を提示したにも関わらず、後になって内定を取り消そうとする企業があります。

「会社が急きょ倒産状態になった」「求職者の経歴に重大な詐称が発覚した」など正当な理由があれば別ですが、正当な理由もない内定取り消しは、求職者の人生を狂わせるだけです。

内定を出すということの重みを理解しておらず、求職者の決断に対する配慮もできない企業は、人材採用に対する認識が甘いと言わざるを得ません。

8、人事担当者が人物ありきで値踏みしてくる

これも意外に良くあるケースなのですが、求職者の最終面接を終えた後「値引きしてくれれば採用するんだけど…」と交渉してくる企業もいます。

これは、転職エージェントの社内では「人質」と呼ばれる行為であり、転職エージェントとしては最もされるのが嫌な行為の一つです。

内定と引き換えに紹介量の値引きを要求されると、転職エージェントとしては「求職者の人生を考えたときに、自社の価格設定を理由にその人の転職を叶えさせてあげられないのは果たして倫理的なことなのだろうか?」というジレンマに陥ってしまうからです。

そして、こうしたいわゆる「人質」をしてくる企業は、内定を出すタイミングで値引きを交渉すれば、転職エージェントも簡単にNoとは言えないということを理解した上で巧みに交渉を仕掛けてくるのです。

しかし、本来、転職エージェントと企業との間での紹介料に対する契約は求職者が紹介される事前から決まっているものであり、企業はその枠組みの中で採用の可否を決めればよいだけです。

こうした実際の求職者の存在を盾にして金額交渉をしようとする企業は、その人材を紹介してくれている転職エージェントに対して誠実な対応をとっているとは言えません。

恐らく、同様に他の仕入れ業者や顧客に対しても同じようなスタンスで交渉をしていると想定できますので、ビジネスとして長期的に繁栄する会社かというと疑問符が残ります。

9、採用が上手くいかないのは紹介会社のせいだと思っている

「求人を出してもなかなか候補者が挙がってこない」「紹介はしてくれるけどいい人材がいない」「面接をするけど、いつも辞退されてしまう」というように、企業側がスムーズに人材を採用できないケースはよくあります。

こうしたときに、採用が上手くいかない原因を自社や自社の採用方法、選考プロセスなどに見出そうとせず、全て人材紹介会社の責任にしようとする企業もあります。

転職エージェントはあくまで支援者です。「採用するのは企業」「転職するのは求職者」というように、あくまで当事者は企業自身と求職者自身なのです。

転職エージェント側の採用支援数キルが低いケースもありますし、お金を払うんだから全てやってもらって当たり前、という考え方もあるかもしれませんが、やはり採用を成功させるためには企業自身の努力も必要不可欠です。

優れた人材を獲得するためには、自社自身が優れた企業になるしかないからです。そうした認識が薄く、採用の失敗を紹介会社のせいにしているような企業は、業績不振は景気のせい、社風が悪いのは従業員のせい、といった形で他責の考え方に支配された経営者がいるのだと想像できます。

10、採用担当者が自社に対する不満を言っている

採用担当者は、言ってみれば企業自身の営業マンです。「いかに自社の魅力を的確に求職者に伝え、優秀な人材から自社を選んでもらうか。」これが採用担当者の仕事です。にも関わらず、採用担当者の中に、自社に対する不満をもらすような方もいます。

不満ではなく、解決するべき「課題」として前向きにとらえ、求職者にも共有してくれるような担当者であれば信頼できますが、単なる不満では困りものです。

営業マンが、顧客の前で自社製品に対する不満を言っているようなものだからです。採用の仕事は経営や戦略に直結する仕事であり、その重要なポジションにいる人間が経営者としっかり意思疎通できておらず、自社に不満を抱えているという状態は既にそれ自体が大きな問題です。

面接の場で採用担当者が不満をもらすような企業は社内でのコミュニケーションが上手くいっていない何よりの証拠ですので、入社は避けるのが無難です。

まとめ

以上が、「転職エージェントから見たブラック企業にありがちな10の特徴」でした。いかがでしたでしょうか?

上記はあくまで転職エージェントから見た視点であり、理由によっては仕方なくそうなっているということもありますが、転職エージェントとしては、上記のような企業とは取引がしたくないというのが本音です。

人材採用という求職者の人生に大きく関わる仕事だからこそ、誠実さや倫理観などが強く求められるべきですが、企業の中にはそうしたスタンスにマッチしないところもあるのが実情です。

求職者の方々にはなかなか見えにくい部分も多いのですが、転職エージェントを経由して応募する企業の中に少しでも上記の傾向にあてはまる企業があれば、入社は慎重に検討したほうがよいかもしれません。


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