求人票の内容は信用するな!


転職エージェントに登録するとまず担当のキャリアアドバイザーがつき、まずは面談の案内が来ます。

そして面談時に担当のアドバイザーにこちらの希望を伝えると、希望に合った求人を紹介してくれます。

このとき紹介された求人票を見ながら、皆さんはその求人に応募するかしないかを決めることになります。

しかし実は、この求人票に書いてある内容を、そのまま信じるのはとても危険です。

求人票に書いてある内容が、必ずしも正しいとは限らないからです。

なぜ、そのようなことが言えるのでしょうか?

転職エージェントの求人票は、誰が書いているのか?

そもそも、転職エージェントから送られてくる求人票は、誰が書いているのでしょうか?

実は、これがとても重要なポイントとなります。

ほとんどの方は、この求人票は企業の採用担当者が書いているものだと思っているのではないでしょうか?

しかし実は、転職エージェントから紹介される求人票のほとんどは、企業の採用担当者ではなく、転職エージェントの営業担当者が書いているものなのです。

通常、企業が転職エージェントに採用支援を依頼すると、転職エージェントの営業担当者は企業の採用担当者に、求人の詳しい内容についてヒアリングをしにいきます。

そして、採用担当者からヒアリングした情報を基にして、営業担当者が求人票を作成するのです。

これは良く考えてみれば当たり前のことです。

企業の採用担当者からすれば、転職エージェントは採用のコンサルティング会社です。

皆さんが転職エージェントに希望条件を伝えれば希望に合った求人を紹介してもらえるのと同じように、企業も転職エージェントに希望の人材像を伝えれば、あとは希望に合った人材を紹介してもらえるというのが転職エージェントのサービスなのです。

ヒアリングした情報を基に、どのような表現をすればターゲットとなる候補者がその企業を魅力に感じてくれるかを考え、求人票として文章に起こすのが転職エージェントの仕事であり、採用コンサルタントとしての付加価値はここに大きく現れるのです。

実際に、同じ企業の同じポジションの求人だったとしても、求人票を書く営業担当者によって求人票の中身は全く変わってしまいます。

当然ながら、優れた営業担当者が書く求人票には応募もたくさん集まりますし、経験・能力欄の部分も企業が求める人材像とぴったりマッチしているため、書類選考の通過率や面接の通過率も高く、入社後のミスマッチも少ないのです。

その逆に、企業から正確なヒアリングができていない担当者が書いた求人票は、応募が集まらないこともありますし、もし応募が集まっていても、企業の採用担当者と目線がずれているために、ほとんど書類選考が通らない、といったことが起こります。

採用コンサルティング会社としての転職エージェントの立場からしてみると、求人票の内容は応募者数はもちろん、書類選考や面接の通過率、入社後のミスマッチ率にまで影響してくる、非常に大事なものなのです。

求人票が公開されるまでのフロー

しかし、求人票の目的は、何も魅力的な情報を散りばめて応募者を増やすことではありません。

求職者に対して、仕事内容や必要な能力・経験について、そして給与や福利厚生などについても「正確」に伝える、ということがもっとも重要な役割となります。

掲載情報の正確性を期すために、通常転職エージェントでは、求人票を作成した段階で企業側に確認を取り、企業の確認を持ってはじめて公開される形となります。

企業の確認時に、求人票の内容に修正が加わることも少なくありません。

大手の転職エージェントの場合、こうした求人票のやりとりをかなりしっかりとやっているため、掲載されている情報に致命的な誤りがあることはあまりありません。

しかしこれが中堅クラス・中小の転職エージェントとなってくると、このあたりの手続きがかなり適当に行われているケースもあります。

実際に私もとある企業の採用担当者としてとある転職エージェントとやりとりしたときに、求人票の中身も見せてもらえないまま候補者を紹介されたことがありました。

後から慌てて求人票を見せてもらったところ、こちらが伝えた内容とは異なる内容が数多く掲載されており、そのときは一時的に求人の紹介をとめてもらいました。

このように、転職エージェントの求人情報に対する意識がずさんだと、不正確な情報が求人票として皆さんの手元に紹介されてしまうこともあるのです。

求人票にまつわるトラブル

実際に、「求人票に書かれていた内容を信じて入社したら実際には条件が大きく異なっていた」というトラブルは頻繁に発生しています。

もっともよくあるのは、やはり待遇面の部分です。給与システムや評価制度、福利厚生、休日日数などが求人票の内容と異なっていたというものです。

また、中には「入社してみたら社会保険が用意されていなかった」というトラブルを聞くこともあります。

企業の場合、社会保険への加入は法律で義務付けられているのですが、実際には中小企業の多くが社会保険に加入していないのが現状です。

こうした細かい点について転職エージェントの企業担当者がヒアリング時や求人票作成時の確認を怠ると、後になって大きなトラブルになってしまうのです。

また、入社する前のトラブルとしてよくあるのは、「求人票には年収レンジが400万~600万と書いてあるのに、いざ内定通知書を渡されたら300万円だった」といったようなトラブルです。

400万円~600万円という年収レンジを見れば、誰でも最低400万円はもらえると思うものですし、その前提で選考を進めていき、場合によっては他社の選考を辞退することもありえます。

それが最後の最後になって蓋を開けてみたら300万円のオファーレターしか出なかったと言われれば、誰でも怒って当然です。

しかし、この給与レンジに関する問題は非常に難しい問題であることも事実です。

まず前提として、中途採用の場合は決まった給与テーブルを用意しているわけではない企業も多く、前職時の給与に合わせて年収が決まるケースなども多いので、明確にいくらを支払うと明記するのが難しいケースも多いという点が挙げられます。

また、採用側の視点からしてみれば、「400万円~600万円という年収レンジはあくまで求める経験・能力を満たす人材に対する条件であって、今回は、経験・能力は基準に満たなかったものの、人材としては採用してもよいというレベルだったので少し年収を下げて提示した」といったようなことも起こりえるのです。

こうしたトラブルを防ぐためには、求人票の内容について鵜吞みにすることなく、給与面や福利厚生面など細かい点については事前にしっかりと転職エージェントに確認しておくことが重要です。

入社してからでは遅いので、いかに自分自身で条件をしっかり確認しておくか、という点が重要なのです。

少しでも不明瞭な点があれば、すぐに確認を。

求人票の内容について少しでも不明瞭な点があれば、すぐに担当のキャリアアドバイザーに確認するようにしましょう。

傾向としては、全体として情報の記入量が少ない求人票の場合、転職エージェントの営業担当が企業から正確に情報をヒアリングできていない可能性が高いので、掲載されている情報自体の信憑性も疑うようにしたほうがよいでしょう。

逆に、福利厚生の諸項目や過去の決算の数値など細かい部分までみっちりと記載されているような求人票であれば、企業担当が細かく情報を入手できている可能性が高いので、情報そのものにも信頼性があると考えてよいでしょう。

こうした求人票のクオリティは残念ながら転職エージェントの営業担当によっても左右されてしまうので、気になる方は、その企業のホームページの採用情報を自分で見てみて、求人票の内容と比較してみるというのも一つの手です。

求人票と企業ホームページに書いてある内容とでは福利厚生面の記述が異なっているケースなどもありますし、逆に求人票の内容が明らかにホームページをコピペしただけと分かるようなときもあります。

いずれにせよ、求人票に掲載されている情報が全てではないということを念頭に入れたうえで、人生をかけた大事な転職の場で誤った選択をしないよう、最大限の注意を払って求人票を見ることをおすすめします。


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